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37週5日〜妊婦生活最後の日(6月7日) とうとう入院の日がやってきました。真夏のようにとても暑い日です。 入院手続きは外来の休憩時間の13:30からなので、家で軽く昼食を取り、入院用の荷物を再度チェックし、そして玄関前で大きなおなかの妊婦姿の写真を数枚取って、実父に車で送ってもらって病院へ向かいました。 受け付けを済ませ(ここで内金10万円を払いました)、とても穏やかな雰囲気の総婦長さんに案内されて、予約しておいた4階の個室へ向かいました。父は、病室とはとても思えない、ホテルのようなとってもきれいな部屋にビックリしたようで、しばし唖然としていました。色彩は淡いピンクで統一され、テーブルや椅子などのインテリアも全て天然木のものが使われており、空調完備、冷蔵庫・キッチン完備、ユニットバス・洗面台付き、トイレはウォシュレット付き、大型テレビ設置(見放題)、電話あり、ベッドはキングスダウン(Kingsdown)社のマットレスのクィーンアンスタイルのエレガントなベッド、フロアは総カーペット、窓の外はテラス、壁にはマリー・ローランサンの絵...。ベッドサイドとトイレにナースコールがついて、壁に酸素吸入のための口がついている以外は、病室らしいところはありません。また、プライバシー保護のためか、ドアの外に入院患者の名札などは一切張り出されませんし、鍵もかかります。決して華美ではなく、ゆったり落ち着ける造りになっています。 すぐ入院着に着替えて検査に入るとのことなので、その時点で父には帰ってもらいました。 まずは検温から始まります。35度3分しかなかったので、総婦長さんにもう1回測りましょう、と言われ測りなおしましたが、ますます低くて35度1分しかない...。超低体温...。大丈夫かしら? NSTは40分間つけて胎児の様子をチェックします。総婦長さんが記録紙を見て、深くうなずきながら、 しばらくして病棟内の診察室で診察(内診)を行います。 それにしても、月曜日(おととい)に1.5センチ開いていたとは全く聞いていなかったです。まあ、聞いていたら家で不安になって過ごしていたでしょうから、入院するまで聞かなくてよかったと言えばよかったかも...。 部屋に戻り、最後の妊婦生活をEnjoyしよう!と思い、まずはシャワーを浴びて体をキレイにし、本来ダイニングで取るべき食事(お産当日と翌日は部屋で取り、それ以外はダイニングで他の方と一緒に取ることになっていますが、希望すればいつでも部屋で取ることができます)を部屋へ持ってきていただいて、ゆったりしながら過ごしました。フランス料理のような豪華な食事です。無痛分娩の場合、麻酔を使うため、出産前日(今日)の夜9時以降は全て飲食禁止で、出産当日(明日)の朝の食事はもちろん取れないため、今晩はしっかり食べなきゃと思い、全ておいしく頂きました。 部屋に看護婦さんが回診に来ます。今日は病棟婦長さんでした。ドップラーで胎児の心音を確認し、「順調ですね。明日、がんばってくださいね。何か心配なことはないですか?」と聞かれたので、「とにかく暑いので喉が渇くのですけれど、水分も一切取ってはいけないんでしょうか?」と質問すると、「飲みすぎはもちろんダメですけれど、喉をうるおす程度ならOKですよ」とのことでした。夜9時から飲食禁止で、明日生まれるまで何も取ってはダメだなんて、いくらなんでもとてもとてもがまんできないと思っていましたから、あ〜、良かった。 灯りが消え、病棟内はとても静かになりました。明日の出産のために早く寝ようと思いベッドに入りましたが、妊娠10ヶ月の間の出来事が自然といろいろと思い出されて、なんだか10ヶ月は長かったような短かったような、1月から切迫流産・早産で安静の日々の半年を過ごしてきてとても大変だったけれど、妊娠というとても貴重な経験ができて、とてもうれしく思い、とにかくここまで来たのだから、明日はがんばるぞと思いました。きのうまでは心配で眠れない日もしばしばありましたが、不思議と今日はとても気分がゆったりしていて落ち着いています。いつの間にか眠りについていました。 37週6日〜無痛分娩での出産(6月8日) きのうグッスリ眠れたおかげか、今朝はとても早く目が覚めました。カーテンとテラスの窓を開けると、空はすでに明るくてお天気もとても良く、鳥の鳴き声がします。空気がちょっぴりひんやりとしてとても気持ちいいので、「今日の日を忘れられない一日にしよう」と思いながら、しばらく窓から外を眺めていました。 ここのところ蒸し暑く寝苦しい夜が続いていましたが、部屋の空調をかけて寝て体調を壊すといけないと思ったので、昨晩は空調なしで休みました。おかげで昨晩シャワーを浴びたにもかかわらず、今朝起きると汗びっしょり...。お産当日はシャワーもダメと聞いていたので、このままだと気持ち悪いと思い、まだ時間があったので朝のシャワーを浴びることにしました。大部屋は共同シャワーの使える時間が限られており、また交代で入ることになっているようですが、個室は部屋についているので、いつでも好きな時に好きなだけ使えてとても便利です。大きなおなかでのシャワーはとても大変で、家でもずいぶんと苦労しました(前傾不可で足の先まで手が届かない..)が、これも最後なんだわと思いながら、おなかにもシャワーを丁寧にかけてあげました。 看護婦さんが時間ピッタリに部屋に来ました。 浣腸が終わり、スッキリした気分でナースステーションへ降りて行くと、看護婦さんが奥の部屋へ連れて行ってくださいました。ドキドキ...。入り口でスリッパを脱ぎ、その部屋用のサンダルに履きかえて奥へ進むと、そこには陣痛室があってベッドが数台並んでいました。ここでしばらく過ごすのだろうなと思っていると、そうではなくていきなり更に奥にある分娩室へ通されたのでビックリ!そこで入院着と自分の下着などを全て脱いで、産褥パッド(すごくぶ厚いナプキンの親玉みたいなもの・2枚重ねる)をつけた産褥ショーツ、おこしをつけて分娩着(前が打ち合わせになっているもの)を着ました。 着替えるとすぐに分娩台にあがることになりました。いきなりあがるとは思ってもいなかったです。分娩台は一般的な汎用分娩台で、足を乗せる台があって、腰のあたりには両側にバーがついており、背もたれがフラットになったり起き上がってきたり、また、お産のときには腰から下の部分が下がって、先生や助産婦さんが処置がしやすいようになったりするものです。 分娩台に横になると、さっそく左腕に点滴、右腕には15分ごとに自動的に計測する血圧計(麻酔をかけると血圧が下がってきてしまう人がいるらしく、それをチェックするため)、おなかには胎児の様子を監視するためのNSTをつけ、重装備になりました。NSTをつけるとき、助産婦さんに、 この病院は分娩台が4つあります。今日の無痛分娩での出産は私を含め3人で、他の2人は、朝私より少し早く来て分娩台にあがっていたようです(カーテンで仕切られているので姿は見えませんが、会話が聞こえるので様子はわかります)。3人の妊婦さんに対して、この日は助産婦さんも3人体勢で、「1対1なので、今日はとてもゆったりしていてラッキーですよ」と言われました。きのうは5人の妊婦さんに対して助産婦さんは2人、明日は経産婦さんばかり5人に対してやはり助産婦さんは2人で、そうなると無痛分娩の場合は同じ時間帯に出産が重なることもあり、とてもバタバタするそうです。 8:30の先生の内診の時間まで、点滴のバーについている液晶のテレビ(音声はヘッドホンで聴けます)で朝のニュースやワイドショーなどを見てのんびりと過ごしました。おとといの最後の診察で、先生から「無痛分娩は本当に痛くないですから、お産までテレビを見ながら笑っていられるわよ」と言われましたが、本当かしら?そして8:30になる直前に、 「おはようございます」 破水させたあと、今度はすぐ硬膜外麻酔のための準備に入りました。 「よし、これでOKです。もうあお向けに戻って大丈夫ですよ」と言われ、背中にチューブが刺さっているのに大丈夫なのか聞くと、「このチューブはものすごく柔らかい素材だから大丈夫なんですよ」とのことでした。 カテーテルが入ったので、いよいよ麻酔の注入です。麻酔の効きの様子を見るため(個人差があるそうです)、最低量の投与から始めます。1回の投与の半分の量を入れます。 15分経過し、麻酔が効いていることを確認すると、今度は左腕に陣痛促進剤を点滴で投与し始めました。これも様子を見ながら慎重に行いますので、最低量が落ちるよう調整してあるとのことです。 また無痛分娩の場合、実質的な分娩所要時間は、この陣痛促進剤投与の時から数えるようです。 最初の麻酔がちゃんと効くことが確認できたので(中には効きが悪い方もいるそうです)、1回目の投与の残りの半分を入れました。そこで助産婦さんがウェットティッシュを持ってきて、私の腕をひとふきして、 この時点で子宮口を診ていただいたことろ、なんと早くも5〜6センチ開いてきているとのことです。初産婦は順調に行ったとしてだいたい日が暮れるまでには生まれるでしょう、と言われ、経産婦の場合はもう少し早くてお昼頃だそうですが、私の場合は経産婦並みのかなりいいペースで進んでいるとのことでした。なんだかうれしくなってきました。この調子、この調子。 それにしても朝から同じ体勢で寝ているので、腰が痛い...。助産婦さんにそれを伝えると、分娩台の背もたれの角度を起こしてくださいました。分娩台のマットはそれほど柔らかいものではないので、フラットな状態よりも多少背もたれが起きているほうが腰に負担がかからなくて楽でした。またつらくなったら、楽な角度に変えてくださるとのことで、また決してあお向けに寝ていなくてもよく、横向きに寝ていても構わないとのことでした。 子宮口が5〜6センチ開いている状態ですと、普通ではものすごく痛い状態だそうですが、麻酔をかけているので全く痛みは感じません。意識はハッキリしていて暇なので、引き続きテレビでも見ていようかなと思いましたが、面白い番組がない...。すると、朝早く起きたので眠かったのか、なんだか気持ち良くなってきてついウトウト...。1時間ほど分娩台の上でお昼寝をしていました。タオルケットを掛けていただいていたので、とても気持ちよかったです。 助産婦さんの気配を感じ、目を覚ますと、麻酔2回目投与の時間が来ました。注入時にやはり背中がヒンヤリするだけで、麻酔注入の痛みは全くありません。子宮口をチェックしていただくと、なななんともう7〜8センチ開いているとのことです。朝からビックリしてばかりいますが、またまたビックリ!自分では痛みがないので、7〜8センチ開いている感覚が全くわかりません。 そしてここで、導尿をしました。点滴、血圧計、NSTで重装備で、しかも麻酔がかかっていてトイレまでもちろん歩いて行けないので、尿道にチューブを入れて膀胱に溜まっている尿を取り出していただきます。これもまったく痛くなく、感覚がありません。 痛みをまったく感じないので、テレビで「笑っていいとも」を見てゲラゲラ笑いながら過ごしていると、3回目の麻酔の時間になりました。子宮口を診ていただくと、なななんと早くももう全開大(10センチ)になっていて、赤ちゃんの頭が出たり入ったりしているとのことです! ここで助産婦さんの指導で呼吸の練習です。 もうすぐ生まれそうだという緊迫した状態なのに、またまたウトウトしてきて2度目のお昼寝。午後の昼寝はとても気持ちよかったです。精神的にもとてもリラックスして、ゆったりしていました。 これでランチが取れていたのなら、満腹でもっと気持ち良かっただろうなあ...。それにしてもゆっくりお昼寝できるのは今日のこのお昼寝が最後かも...!? 私の出産よりも先に隣の分娩台にいる経産婦さんのふたごの出産が先になるとのことで、私はしばし待つことになりました。待っている間に痛みが来たり、自分のお産や会陰切開・縫合などにときに痛みが来ると大変だということで、念のため、最後の4回目の麻酔を入れてもらいました。 隣の経産婦さんのふたごの出産が終わったので、さっそく私の出産の準備に取り掛かることになりました。助産婦さんが下に敷くシートやその他いろいろな物を揃えて、準備完了。そして先生が会陰切開をしたようなのですが、見てなかったのでいつ切ったのかまったくわからず、もちろん傷みは全く感じませんでした。 しばらくして他の助産婦さんも勢ぞろいし、先生と一緒に私の足元から赤ちゃんの様子を見ています。 「さあ、もう最後ですからね。陣痛の波(=おなかの張り)が来たら、先程練習した呼吸どおりにやってみてください」 そこで、助産婦さんにNSTを見ていただいて、針が振れてきたら合図を出して頂くことにしました。 プルルン。 ただ言われたとおりゆっくりと呼吸していただけで、全く痛くなかったので、赤ちゃんが出てきた瞬間が実感としてほとんどわからず、しいて言えば蒟蒻畑のゼリーがプルルンとパッケージから出るような感じがしただけです。無痛分娩は本当に痛くありません。分娩所要時間もとても短く、5時間12分でした。 そして赤ちゃんは、しばしいろいろな計測や処置をするため、奥の新生児室へ連れて行かれました。私のほうは、引き続き胎盤の排出や会陰縫合などの処置に入りました。胎盤は自然と出てくるのを待つのではなく、引っ張って出したので、あっという間に出てきました。長い間、大切な役目をしてくれて、本当にありがとうを言いたいです。会陰縫合は、先生がなにやら長い糸で縫っていますが、これも麻酔が効いているので、まったく痛くありません。糸は抜糸の必要のない溶ける糸だそうです。 処置が終わると、出血が続くため、ぶ厚い産褥パッドをつけます。おなかにはおなかのたるみを引き締めるためにさっそくバーシングスムーザー(ガードルみたいなもの・ワコールのものでした)を分娩台の上で助産婦さんに巻いていただきますが、用意されていたのはLサイズだったらしく、ブカブカでした。 計測が終わり、脂などをキレイにしていただいて、ツルツルの赤ちゃんが戻ってきました。 そして20分ほど、分娩台の上で赤ちゃんを腕に抱き、添い寝しました。スヤスヤ寝ています。小さいなあ。ちゃんと呼吸してる。湯たんぽみたいに温かい。まつげもちゃんと生えてる。本当に可愛い。 20分経つと、赤ちゃんは新生児室へ戻り、私はあと1時間そのまま分娩台の上で休むよう言われました。お産が無事終わり、ホッとしたせいか、おなかが空いて喉がカラカラなのを急に思い出しました。朝から何も食べていないんだもの...。すると、助産婦さんがすかさず、 分娩台の上で2時間休んだので(またまたお昼寝していました)、病室へ戻ることになりました。分娩台の上で入院着に着替えました。まだ下半身に麻酔が残っており、足の感覚がボーッとしていて自分で歩くとヨロヨロして危ないので、助産婦さんに車椅子を押して頂いて病室へ戻ります。 エレベータで4階までたどり着くと、両親が談話室で待っていてくれました。一足先に赤ちゃんを新生児室で見てくれたとのことで、とても喜んでくれていました。助産婦さんに車椅子から降ろしてベッドに座らせていただきました。 明日は彼が来てくれる。楽しみに待っていよう。 お産当日および翌日の産婦は、部屋で食事を取ることになっています。朝から何も食べていないので、楽しみに待っていると、お祝いのワイン付きの豪華な食事が運ばれて来ました。私はお酒がダメなので、ワインは残念ながら残してしまいましたが、食事は全て残さず頂きました。なんとおいしかったこと! 看護婦さんが回診に来ます。トイレの指導を受けました。会陰の傷がありますし、しばらく悪露が続くので、トイレの後は毎回洗浄綿でキレイにし、ウォシュレットも有効的に使ってくださいね、とのことです。ウォシュレットがあってありがたいとこれほど思ったことはありません。 それと、お産後は尿意がなくなると聞いていましたが、本当にそうなったのでビックリ!自分の意識とは別に尿が出てきてしまうのです。膀胱周りの筋肉をきゅっと引き締める産褥運動をきちんとやっていれば自然と治るそうなので、その日からせっせとベッドの上で運動を始めました。入院している1週間のうちには治りました。 また、ベッドの上で腹部を触っていただき、子宮の戻り具合もチェックしてもらいます。もうだいぶ戻ってきているようで、「すごく戻りが早いですよ」と言われました。その代わり、後陣痛がとても痛い...。無痛分娩の場合は、お産自体に痛みがないので、後陣痛にとても痛みを感じる場合が多いそうです。急激に子宮が収縮しているので、生理痛の重いときの鈍痛みたいな感じです。鎮痛剤をいただけるとのことで、内服か膣座薬かどちらがいいか聞かれましたが、膣座薬のほうが効きが早く、効果も持続して、翌朝までグッスリ眠れるでしょう、とのことでしたので、膣座薬を入れていただくことにしました。入れるときの痛みはありません。 「他に何かありませんか?」 この病院は面会時間が夜8時まで大丈夫なので、夜は仕事帰りのご主人やご家族、お友達などがたくさん面会に来ており、談話室や新生児室のあたりはとても賑やかです。下半身の麻酔もすっかり切れて、自分で普通にスタスタ歩けるようになったので、面会のみなさんが帰って静かになったころ、ナースステーションの前にある新生児室へ赤ちゃんを見に行きました。分娩台の上で一緒に寝て以来会っていないので、ドキドキ...。 新生児室は半円状になっており、生まれた順番に15人くらいの赤ちゃんがずらっと並んでいます。私の赤ちゃんは今日生まれたばかりなので、端っこのほうでスヤスヤと寝ていました。ガラス越しなのでもちろんさわれませんが、ほっぺがとても柔らかそう。お肌も真っ白です。赤ちゃんがつい数時間前までは私のおなかに入っていたとは、とても信じられません。 「もう消灯ですからね。明日から忙しいですから、今日はゆっくり寝てくださいね」 |
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2005/01/27
です。 |